World of Warcraft: 年末スペシャル「Morbent Felを倒せ」最終話

Sven の復讐

Sven に日誌を手渡すと,彼は幾度となく日誌を読み返した.長い時間がたったのち,彼は重い口を開いた.

「この日誌は,私が知らなかったことをすべて説明してくれました.しかし,それと同時に,Dark Rider に対する私の怒りの炎を燃え上がらせるようです! 私は、Duskwood のこれらの Rider を見ていたのですが,奴らが Forlorn Rowe で魔法使いの Morbent Fel と話しているのを見たことがあります.Morbent Fel は Dark Rider と手を組んでいます.おそらくあなたは Morbent Fel の力に十分対抗できると思います.しかし,あなたの力を知らないままに彼と対峙することをお願いするつもりはありません.もし Morbent Fel と対峙するつもりなら,彼の手先となっている Rider を倒して,魔法使いを倒せるだけの力があるかを私に見せてくれないでしょうか.」

この申し出を引き受けることにし,Reven Hill の墓場をうろついている Rider を次々と倒したのち,Sven に再び会いに行った.

「あなたの腕を見せてもらいました.あなたの戦闘における力量は疑いようもありません.あなたは,きっとあの Morbent Fel を倒せるでしょう! しかし,その前にまず Stormwind City に行ってもらいたいのです.そして Light の Cathedral にいる Farthing 司教に,Jitters の日誌を渡して仔細を伝えてもらえないでしょうか.そして,Morbent Fel を倒そうとしていることも伝えてください.Stormwind は Darkshire を見放してしまったとはいえ,Farthing は親切な人物で,しかも非常に賢明です.彼はきっと,何らかのヒントを私たちにくれるはずです.この企ては,急いで実行しなければいけません.一刻も早く対処しなければ,Duskwood の闇はさらに深くなることでしょう.」

Sven の言うとおり急いで Stormwind の町まで歩いていくと,聖堂の奥に Farthing という司祭が確かにいた.彼は,私の恐ろしくも突拍子もないを真剣に聞いてくれた.そして日誌を手に取り,注意深く読み進めた.

「Duskwood の闇が濃くなっていく原因が分からなかったのですが,あなたの話とこの日誌のおかげでその一端が明らかになりました.この状況を打破しようとするあなたのように勇敢な人がいることを,私は Light に感謝します.しかし,来たるべき戦いのためにまずは準備をする必要があります… ネクロマンサーの Morbent Fel の力は極めて強力です.彼は自分自身を攻撃から守るために,自分自身に対して強力な結界を張っているのです.彼を倒そうとするのなら,その結界を打ち破る武器を手に入れなければなりません.

何年か前のことです.Wetlands という Ironforge の Dwarf 王国の北部に位置する沼地 の海岸に座礁している Kul'Tiras の第三艦隊のうちの一隻が,Lightforge Iron という特殊な金属の材料を積んでいました.この金属を使って作られた武器は聖なる力をもつため大変貴重な材料なのです.Morbent Fel と戦うのであれば,この材料を使って作った武器が役に立つでしょう..

Wetlands の Menethil 港に行って,私の同僚の Dwarf である Glorin Steelbrow にこの話しをしてください.今は失われたその金属を見つけることができる場所を,彼は知っているはずです.」

Wetlands は Stormwind からかなり遠い場所にある.ただ幸いなことに,一度訪れたときに Gryphon Master に挨拶をしておいたので,今なら Gryphon を使って短時間で行くことができる場所だった.Wetlands につくと,早速その Dwarf を探し始めたところ,宿屋にいた人物がどうやら探すべき人物であったようだ.彼にこれまでのいきさつを話すと,うなずきながら金属のありかについて語ってくれた.

「Lightforge Iron はたしかに貴重な金属だ.その金属を探すことは,かなりの困難が伴うかもしれないな.しかし,お主は長い探索の末にこまでたどりつくだけの運をもっていたわけだ.その運があれば,探しているものを手に入れることができるかもしれんな.

もしその金属が手に入ったのなら,再び私のところへくるといい.そうすれば,お主が倒そうとしているネクロマンサーに対抗できる武器を作り,Duskwood の闇を晴らすことができるかもしれない.」

彼はそう言いながら窓辺に近寄り,こちらへくるように手まねきをした.

「肝心の金属のありかだが,あれが見えるかね.あそこに一隻の船が座礁しているのが見えるだろう.あれは以前の戦争のとき Red Dragons の炎を浴びて全滅した Kul'Tirasの第三艦隊と行動を共にしていた船だ.

艦隊は Lordaeron からやってきたのだが,エルフの駆逐艦である Flying Osprey がそれに加わっていた.を母港としていた.その船は Lightforge Iron を運搬しており,第三艦隊の保護をうけていた.しかし皮肉にも,そのために第三艦隊とともに沈められることとなってしまった.

…昔話はこのくらいでよいだろう.Flying Osprey は,見ての通りあそこで座礁したまま打ち捨てられている.運がよければ,あの近辺で Lightforge Iron を見つけられるかもしれない.」

船へと近づいてみると,はたして壊れかけた木箱の中に小さく光る銀色の塊を見つけることができた.しかし,これだけでは武器を作るのには足りないのではなかろうか.ひとまず木箱を持って Glorin にそれを見せてみた.彼は木箱を見て一瞬喜びの表情を浮かべたが,すぐに落胆した表情へと変化してしまった.

「この木箱は,ずいぶんと激しく損傷しているな.しかし,この箱の中に他にもいくつかの金属片が入っていたに違いない.箱の中も外も鉤爪でひっかかれた跡が残っている…おそらくは Murloc が箱を壊して中身を持ち出したのだろう.ここに残っているだけの Lightforge Iron だけでは,残念ながら武器を作ることはできない.この金属片の五倍程度の量は必要だろう.この木箱を見る限り,Murloc が残りの金属片を持ち出したことは間違いない.失われた Lightforge Iron を取り戻すためには,もういちど Flying Osprey 号へ行って Murloc から金属片を取り戻すしかない.」

再び船に戻り,船の周りを徘徊している Murloc どもを観察すると,その中に何かキラキラと銀色に輝くものを持っているやつがいた.おそらく,彼が言ったように沈没した船の中から連中が持ち出したに違いない.それからしばらくMurloc を倒しつづけ,どうにか武器がつくれそうなだけの量の金属片を集めることができた.しかし,本当にこれで足りるのだろうか….ともかく,海に浸かって冷え切った体を温めるためと,Glorin に金属片を見せるために宿屋へと戻っていった.

すると彼は,集めた金属の塊を見て喜びの声をあげた.

「すばらしい,これだけあれば武器が作れるはずだ.さっそく鍛えて武器を作らせよう.」

彼はそういうと,棚から空の小さいケースを取り出して,金属片をそれに丁寧に詰め込みながら話した.

「Stormwind の町の Dwarf 居住区に,懇意にしている Dwarf の鍛冶師がいる.彼の名前は Grimand という.彼ならば Lightforge Iron を加工することができるだろう.このケースに集めた金属片を詰め込んでおいた. Grimand にこれを渡して,事情を話すといい.そうすれば,彼はお主のために Morbent Fel を撃ち倒すことができる武器を鍛えてくれるだろう.」

そこで,彼がケースに詰め込まれた金属片を持って,紹介された Stormwind の鍛冶師のところまで向った.よそ者から声をかけらた Dwarf の鍛冶師は,最初は厄介事はご免だという顔をした.しかし,ケースの金属片を見るとその顔色が一変した.これまでのいきさつを懇々と話し,武器を作ってもらえるかどうか尋ねた.

「ううむ,それは何ともすごい話だな.しかし Lightforge Iron とは!こんな素晴らしい素材を手にする機会があるとは思わなんだ.その素晴らしい素材を使う仕事を引き受けられるとは,実に名誉なことだ.これは腕によりをかけて臨まねばならん.お主,Morbent Fel を倒した暁には,無論その話を私にもしてくれるんだろうな?」

鍛冶師はこたえる間もなくケースをひょいと取り上げ,大声で助手たちを呼び集めるとものすごい勢いで武器の製作を始めた.見ている目の前で金属が加工され,次第にそれは光る杖のような,鎚でもあるような形へと変化していった.Dwarf たちは一昼夜のうちに武器を完成させると,それをぶっきらぼうに突き出してこう言った.

「さあ,武器はできた.これで奴に対抗できるだろう.準備は整った.おぬしの幸運を祈っている.いい知らせを待っているぞ.」

受け取った武器をもち,急ぎ Sven のいるキャンプまで戻った.輝きを放つ武器を彼に見せ,ここまでのいきさつを話した.彼は,深いため息とともに静かに言った.

「ああ,これで Morbent Fel を倒すことができる!よくやってくれました!準備は万端です.Morbent Fel は滅ぶに違いありません.奴は Raven Hill の墓地を見下ろす,東の丘の上にある家に潜んでいるはずです.奴はそう遠くなくここを離れようとしています.奴に対してその武器を使えば,魔法による結界を無力化できるでしょう.お願いします,彼を倒してください.なんとしても.そして,邪悪から私たちを救ってください.私の復讐を全うすれば,あなたは Duskwood の英雄になるに違いありません!」

おまけ(?):決戦

物語はここまでで,以下は Morbent Fel との戦闘についての記述です.

北西の廃墟の北側にぽつんと建っている建物の 2F に,紫色のオーラみたいなものにつつまれた,いかにも魔法使いというタイプの敵を倒します.敵はレベル 32 の elite タイプで health が 3000 以上あり,オーラに包まれた状態だとダメージがほとんど通りません.英語版 Wiki によれば armor が 10000 以上あるそうです.しかも,昔はもっとレベルが高かったうえに,周囲に護衛までいたらしいです(極悪すぎ).しかし,後日の Patch でこのエリアにあわせてレベルが 32 に引き下げられた上に護衛も排除されたことから,以前よりはかなり倒しやすくなっているようです.とはいっても,このオーラをまとっている状態だと,少なくともレベル 32 のソロでは勝てそうにありません.

前述のクエスト群をこなした結果もらえる敵のオーラ(結界みたいなもの)を無力化するアイテムを使うことで,敵にダメージが普通に通るようになります(敵の名前や見かけも変化します).このアイテムは,Off hand に装備してなおかつ装備してから 1 分たたないと使えません.Staff のような両手武器を持っていると使えない点に注意が必要です.しかも main hand に何も装備してないと off hand には装備ができないため,何か one-hand の武器を持ってないと結構ハマります.ちなみに私は戦闘直前にそれで悩んで,mining pick を main hand に持つことで何とかしました….

逆にこのアイテムを使わないと,レベル 35 くらいで行ってもかなり苦戦すると思います(というか無理? ダメージ通らないうえに touch of death でガンガン回復されますし).アイテムがある状態ですら,適正レベル(32)で倒そうとすると少々大変です.自分がレベル 32 の場合,こちらから Fel が見える位置(階段を登りきったくらいの位置)に立っただけで反応されてしまいます.戦闘の準備をしてから階段を上がるほうが賢明です.また建物の中は雑魚の復活(respawn)の時間も早いです.低いレベルで長期戦覚悟で倒すなら,建物の外まで引っ張り出してから倒すほうがいいかもしれません.



エピローグ

Morbent Fel を倒して Sven に話しかけると,そこで話は一段落つきます.しかし,いろいろと未解決だったり腑に落ちないことがあります.例えば,

  • 結局,Elune の鎌 (Sythe of Elune) はどうなったのか.そもそも何だったのか.
  • なぜ Worgen だけでなく Dark Rider も出てきたのか.Worgen はどうしたのか.
  • Morbent Fel の目的は何なのか.
  • いつのまに Sven の代わりに自分が Morbent Fel を倒すことになったのか(クエストの途中からいきなりそうなってるし)
  • Jetters は Duskwood からなぜ逃げ出さないのか.Darkshire にいたほうがまだ安全そうなのに,わざわざ Dark Rider がたむろしている Raven Hill にいるのは何故か.

というあたりは,クエストが終わってもよく分かりません.Sythe of Elune については,Ashenvale の別のクエストシリーズ(The Howling Valeから始まる)の途中で出てくる日誌の中にも記述がありますが,そのクエストをすべてクリアしても鎌がどうなったかは分からずじまいのようです.またゲーム外では,英語版 WikiScythe of Elune に多少の記述があります.